配送マッチング「ピックゴー」への不正アクセスで7NOW・出前館の注文者情報が流出|軽貨物の配送プラットフォームが学ぶべきこと【2026年版】
2026年11月、軽貨物の配送マッチング「ピックゴー」(CBcloud)が不正アクセスを受け、配達を委託していたセブン‐イレブン「7NOW」と出前館の注文者の名前・住所・電話番号などが取得されました。何が起きたのか、同じ配送マッチングの仕組みのどこにリスクがあるのか、荷主・ドライバーが気をつけること、ライトカーゴの対策をまとめます。

2026年11月、軽貨物の配送マッチング「ピックゴー」(CBcloud株式会社)が不正アクセスを受けました。配達を委託していたセブン‐イレブンのデリバリーサービス「7NOW」と出前館で、注文者(届け先)の名前・住所・電話番号などが取得されたと発表されています。
ピックゴーは、荷主と軽貨物ドライバーをつなぐ配送のマッチングサービスです。ライトカーゴも同じ「配送マッチング」の仕組みで、届け先の個人情報を預かっています。同じ業態として、この件から学ぶべきことを整理します。
この記事の要点(30秒版)
- 11月1日、ピックゴーへの不正アクセスで、配達の案件に含まれる届け先の情報が取得されたことが判明
- 7NOWで計16万9,151件(大半は名前のカナのみ)、出前館で約800件。カード情報・パスワードは含まれない
- 1つの委託先から、複数のサービスの利用者情報が同時に漏れた
- 配送マッチングは、多くのドライバー・荷主のアカウントが出入りする仕組み。見せる範囲と残す期間を絞るほど被害は小さくなる
- 流出のあとは配送業者を名乗る偽のSMSに注意
何が起きたのか
経緯
各社の発表と報道によると、経緯は次のとおりです(セブン‐イレブン、出前館、CBcloud、ITmedia NEWS)。
| 日 | 内容 |
|---|---|
| 11/1 | CBcloudの調査で、ピックゴーへの第三者による不正アクセスと、配達の案件に含まれる顧客情報の一部の取得が判明 |
| 11/2 | 出前館が、ピックゴーとの連携を一時停止(その後再開) |
| 11/3 | セブン‐イレブン、出前館、CBcloud(第2報)が公表 |
CBcloudは、不正アクセス元からの通信の遮断、不正に利用されたアカウントの停止、悪用された不具合の修正を行い、一部の機能と日本国外からのアクセスを制限したとしています。公表の時点では、取得された情報の不正利用は確認されていないとのことです。
取得された情報
セブン‐イレブン「7NOW」(計16万9,151件)
| 取得された情報の組み合わせ | 件数 |
|---|---|
| 名前(カナ)のみ | 16万4,180件 |
| 名前・住所 | 4,762件 |
| 名前・住所・電話番号・郵便番号 | 209件 |
出前館
| 取得された情報 | 件数 |
|---|---|
| 名前 | 799件 |
| 番地までの住所 | 794件 |
| 電話番号・郵便番号 | 33件 |
どちらも、クレジットカード情報やID・パスワードは含まれていないとされています。また、CBcloudの第2報では、ピックゴーを使う法人の顧客の情報に加え、配送ドライバーの情報も流出した可能性があると報じられています(INTERNET Watch)。
配送マッチングのどこにリスクがあるのか
案件のデータは「名前・住所・電話番号」の集まり
配達の案件には、届け先の名前・住所・電話番号が入っています。配送マッチングでは、この案件の情報を、たくさんのドライバーが見て、引き受けるかどうかを決めます。荷主・ドライバーのアカウントが毎日大量に出入りするので、1つの不具合や、1つの乗っ取られたアカウントから、多くの案件の情報に手が届いてしまうおそれがあります。
1つの委託先から、複数のサービスへ
今回は、7NOWと出前館という別々のサービスの利用者情報が、同じ委託先から取得されました。荷主から見ると、自社のシステムがどれだけ安全でも、配達を任せた先から漏れることがあります。
「持っている情報」が少ないほど、被害は小さい
7NOWの内訳を見ると、取得された約16.9万件のうち、約16.4万件は名前(カナ)のみでした。住所や電話番号まで含まれていたのは一部です。案件ごとに持っている情報・見せている情報が少なければ、万一のときに取られる情報も少なくなります。
荷主(依頼する企業)が確認すること
配送マッチングを使うとき、または配達を委託するときは、次の3点を確かめてください。
| 確認すること | 望ましい答え |
|---|---|
| 届け先の住所・電話番号を、誰にいつ見せるか | 引き受けが決まったドライバーにだけ、配達のあいだだけ見せる |
| 終わった配達の情報をどれだけ保存するか | 必要がなくなったら早めに消す |
| ドライバーの本人確認 | 免許証・車検証・黒ナンバーの届出・保険を確認している |
ドライバーが気をつけること
ドライバーは、被害にあう側にも、入口になる側にもなりえます。
- パスワードを使い回さない:配送アプリのアカウントが乗っ取られると、そこから案件の情報が見られてしまいます。ほかのサービスと同じパスワードにしない
- 見た情報を残さない:届け先の住所・名前・電話番号を、写真やメモ、私用のチャットに残さない
- 偽のSMS・メールに注意:流出のあとは、配送業者や配送アプリを名乗る「確認」「再設定」のメッセージが増えます。リンクは押さず、公式アプリから確認する
ライトカーゴの対策:「見せない・持ち続けない」
ライトカーゴは、ピックゴーと同じく、荷主と軽貨物ドライバーをつなぐ配送マッチングです。届け先の個人情報は、次のように扱っています。
- 決まる前は丁目まで:案件を探しているドライバーには、住所を丁目までしか見せません。届け先の担当者名・電話番号は見せません。新着案件の通知も丁目までです
- 決まったドライバーにだけ、配達のあいだだけ:番地以下の住所と連絡先は、担当が決まったドライバーにだけ、運行中に表示します。配送が完了した時点で、担当ドライバーの画面からも見えなくなります
- 長く持たずに消す:届け先の担当者名・電話番号・番地以下の住所、受領サインや置き配の写真は、案件の完了から一定の期間で削除します。問い合わせや精算の確認に必要な期間だけ持ち、必要以上に長くは保存しません。残すのは丁目までの所在地と、日時・金額・案件番号だけです
- 追跡リンクは期限つき:納品先と配送状況を共有するリンクは、推測できない署名つきで、納品のあとは長く見られないよう期限を設けています
- ドライバーの本人確認:免許証・車検証・黒ナンバーの届出・保険を提出し、本部の確認を受けてから案件に入ります
詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。配送の依頼は料金シミュレーターから、登録不要で試算できます。
※本記事の内容は、各社の発表と報道(2026年11月5日時点)にもとづきます。原因や被害の範囲は調査が続いており、数字が変わる可能性があります。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。
よくある質問
Q. ピックゴーへの不正アクセスでは、どんな情報が取得されましたか?
A. セブン‐イレブンの発表では、「7NOW」の注文者について、名前(カナ)のみが16万4,180件、名前と住所が4,762件、名前・住所・電話番号・郵便番号が209件の、計16万9,151件が取得されました。出前館の発表では、注文者の名前799件、番地までの住所794件、電話番号・郵便番号33件です。いずれもクレジットカード情報やID・パスワードは含まれていないとされています。
Q. なぜ自社ではなく委託先から漏れたのですか?
A. 7NOWと出前館は、配達の一部をCBcloudの配送プラットフォーム「ピックゴー」に委託していました。配達を任せるとき、届け先の名前・住所・電話番号も一緒に委託先へ渡ります。その委託先が不正アクセスを受けたため、複数のサービスの注文者情報が同時に取得されました。
Q. 配送マッチングのサービスを使うとき、荷主は何を確認すればいいですか?
A. 届け先の住所・電話番号を、どのドライバーに・いつからいつまで見せるか、終わった配達の情報をどれだけ保存するか、ドライバーの本人確認をしているか、の3点です。見せる範囲と保存する期間が短いほど、万一のときの被害は小さくなります。
Q. ドライバーとして気をつけることはありますか?
A. 配送プラットフォームのアカウントのパスワードを、ほかのサービスと使い回さないことが第一です。配達中に見た届け先の情報を、写真やメモ、私用のチャットに残さないことも大切です。流出のあとは、配送業者を名乗る偽のSMSやメールが増えるため、リンクは押さずに公式アプリで確認してください。
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